革新で伝統を繋ぐ

創業元禄三年、群馬県最古の酒蔵、牧野酒造株式会社。

三百三十三年、ずっと途切れることなく、酒造りが続く。

「保守は改革」と十七代目は語る。
日本酒業界が厳しい局面を迎えた時代に蔵に入り、地酒蔵をどうつなげていくかを考え、チャレンジをし続けた経験を表す言葉だ。
お国の指導にただ従うのではなく、酒造りの本質で勝負をし、新聞社を巻き込みニュースをつくった。
大手には真似できない、本当の生酒の流通を酒販店とともに構築させた。

四年ほど前、酒造りが十八代目に引き継がれた。
研究熱心な十八代目の酒造りはすぐに大きな結果として現れ、令和2年3年と関東信越国税局酒類鑑評会・純米酒の部において連覇する快挙を達成。
しかし大きな評価を得ても特に気にせず、酒づくりの可能性を追求し続けるのが18代目。
旧来の酒蔵の働き方(季節雇用)ではなく、通年雇用の社員だけで酒造りを行う勤務体制へ働き方改革を行った。
高崎市唯一の酒蔵として、パスタに合う日本酒を作った。
大吟醸=良い酒…の様な、日本酒業界にも市場にも染み付いてしまった既成概念を打ち壊すべく、2018年低精白米酒MACHOをいち早く商品化し、原材料を過度に磨かなくとも旨い酒が出来ることを広く周知させた。

高みを目指すだけでなく、如何に日本酒の多様性、日本酒の楽しみ方の多様性に気づいてもらえるか、そういう広がりを生む酒が出来たとき、いい仕事をしたと実感すると、十八代目は言う。

“本質は変えない。しかし常に一歩先を見据え、革新を続けることで伝統を繋ぐ” 牧野酒造のDNAには、そんな思いが込められている。

牧野酒造株式会社

高崎市倉渕町への移住促進 倉渕ライフ(高崎市倉渕商工会)

移住者のための職づくり若者に自由を

高崎市倉渕町の天然温泉施設を運営する相間川温泉株式会社様は、人口減少の進む中山間地域において積極的な職づくりと人づくりを行っている。

日帰り温泉のみならず、食事付き宿泊施設、1棟貸切り型のログコテージ、休耕地となっていた農地を活用した市民農園「クラインガルテン」、自然環境を存分に活かした「くらぶちこども天文台」、「くらぶちサッカー場」など、様々な施設の運営を通じ、くらぶちへの誘客のみならず、運営スタッフの採用を通じ、中長期的な視野をもって、地域活性化に貢献する。

副支配人の秋山さんを訪ねると、地域の人口減少対策にずっと正面から取り組んで来たからこその実感、表面上の施策や村社会に根強くのこる問題への思いが溢れていた。

年齢を重ねた秋山さんの口から出る言葉に、地域の若者への許容力の重要性を強く感じた。

そしてその言葉の真意を確かめるべく「くらぶちこども天文台」で解説員をされるために移住された鈴木さんを訪ねると…

託された森と想いを次世代へ 烏川流域森林組合

託された森と想いを次世代へ

烏川流域森林組合は、群馬県高崎市倉渕町、名峰・榛名山の西麓から南麓一帯と高崎市街を眺望する観音山丘陵の山林を管轄する林業団体だ。

今回、組合の若手3名への取材をさせていただいたが、この自然と関わる仕事の裏側に、問題意識と、自分がどう生きたいのかの決意、が見えた。

市川代表理事組合長の言葉を借りれば、「木一代・人三代と言われる林業、播種(はしゅ)から収穫まで数十年から百年を超える気の遠くなるような歳月を要する仕事」だからこそ、彼らは”自分がどうありたいか”という単純な一人称の軸だけではなく、先人たちや未来の人々を強く意識している。

働くことの意義、日々の暮らしへの疑問、はたまた”どう生きたいのか”を考える若者にとって、その悩みを根本から打ち壊し、思考をゼロから組み立て直すことのできる稀有な環境だと感じた。

時代がどう変遷しようと、森林が人類の生存に不可欠な事は明らか。

“託された森と想いを次世代へ”

これからの子供たちが目指す仕事の一つになっていくことを願う。

烏川流域森林組合

高崎市倉渕町への移住促進 倉渕ライフ(高崎市倉渕商工会)