中小企業サイトのRSS配信とニュースリリース

RSSはウェブサイトの更新情報などを、サイトを訪れることなく、ユーザにお知らせできる仕組みです。ブログ同様に爆発的に広まっている技術ですので、サイトリニューアル時などでは、「RSSは必須ですね」のように、当たり前のように浸透してきています。もちろん弊社で構築するサイトは、blogやxoopsなどのCMS導入をベースとしていますので、どれもRSS配信に対応しています。ただRSSはサイトにそのフィード機能があるというだけで、お客様にどうしたら新しい情報を伝えやすくなるかの根本を抜いて考えては何も効果を発揮しません。

フィードに載せる内容に面白みがあってこそ購読されるのは当然ですので、ただリニューアル時にRSSを導入した、という事に満足せず、これを機会に、ニュースリリースやRSS配信の載せる内容の充実、興味を持っていただける内容は何か?をもっと真剣に考えるようになっていただかないと、最終的なゴールには近づいていきません。

企業サイトの場合、RSS配信のほとんどは更新頻度の高いページ…ニュースリリースなどに使われることが多いです。しかしながらブログなどとは違って、まったく面白みのない書き方をされているサイトをたまに見かけることがあります。ホントに更新ネタが無いんですね。

  • 商品情報ページを更新しました
  • ホームページ閲覧数が100000件を突破しました。

などなど…「だから何?」ですよね。

採用情報などはとにかく運営者側が知らせたい情報とユーザ側が知りたい情報がリンクしていますからとにかく日常業務をスピーディにこなすことで大きな意味を持ちます。

また商品販売を行っている業種ではほとんどそういうことはないと思います。さすがにどうしたらもっと売れるか、が潜在的にあるのでしょう。

  • 次回のキャンペーンまでのカウントダウン開始です
  • 新商品入荷:初回限定○○名様20%OFF
  • お詫び:商品Aの入荷延滞について

など、タイトルだけでも、ユーザの期待を膨らませる内容だったり、企業姿勢や風土までも伝わるものになっていると思いませんか?

さて、問題なのが製造業のサイトです。製造業の場合、特に「うちにはそういう更新ネタがないからなぁ」と相談されることが多々あります。おそらく頭の中では、「××工場、ISO取得完了」とか、「××トンプレス機導入」とかあまりにも大きな事象を想像しすぎているのではないかと思います。特に下請けで大手から仕事を請け負っている企業の場合、そういうキチッとしたサイトを良し、と見ている傾向があるなぁといつも感じます。

対象ターゲットのこともありますので、一概には言えませんが、販売業のようにもう少し身近な話題に、もしくはそこまで噛み砕いたものをニュースリリース的に配信できないというのであれば、ニュースリリースではなくブログの併用を考えるのが得策かもしれませんね。

  • オレ的マシニングの世界
  • フォトブログ:職人の背中(今日の親方)

もし取引業者の人がそんなブログをやっていたら、必ず見ちゃうと思いませんか?
こうしたネタは実は接触や交渉を円滑に進めてくれる潤滑油にもなります。また全く面識のない誰かの目に留まって交流が生まれることもブログ界の常。ただの会社案内的なサイトをつくるよりも、実はこのブログだけやっているだけでもいいのかもしれません。

ただ企業ブログはもちろん諸刃の剣の側面もあります。淡々と義務的につづったものや、営業的発言やSEO狙いにしか見えない不自然な文章は逆効果です。まず自分が楽しんでやるのが大前提。まぁこの辺は次回のお話に…。

WEB2.0 CGMとは

先日のWeb2.0のお話の続きです。前回は基本的なことをお話しましたが、今日からは世間を飛び交っている用語に関する説明をしていきたいと思います。「参加する人によって生成さるメディア」と「参加型のシステム」という事を何回も言いましたが、これを明確に表した用語がCMGです。

CGM(シージーエム)
Consumer generated mediaつまり、消費者によって創造されるメディアのことです。Web2.0はもうこれがベースだと私は勝手に思っています。

ブログは爆発的に広がっているので誰もがご存知のことと思いますが、もちろん個人の単なる日記システムではありませんよね。それぞれの発言は様々な人やシステムとつながっていて、包括的に見ると強大なクチコミメディアといえる存在になってきています。

また、ミクシィなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)では、同じ興味を持つ人のつながりがどんどん生まれています。ハテナブックマークに代表されるようなソーシャルブックマークサービスなども、非常に影響力のあるメディアといえるようになって来ました。これらのメディアは私たちの欲求を非常にうまく解消してくれます。知りたかったことや探していたものをgoogleのような検索エンジンよりも、速く的確に教えてくれることもありますし、もしくはもっとすばらしいことに知らなかったこと、知るべきだった何か、に気付かせてくれます。

つまり消費者の集合体によって生み出されるメディアは、とにかくそのスピード、また嗜好者への伝播力の高さは凄まじいものがあります。またそのほかの特筆すべき特徴としては、CGMの生み出すコンテンツは多くの消費者のさまざまな主観・視点が反映されたコンテンツなので、信憑性が高いという事だと思います。良いことだけを謳った商品広告や製品情報サイトなどの一方的な押し付けの情報でないので、当然です。企業やサービス提供者としては慎重に付き合わなければいけません。

CMSプロダクツ

以下は一応筆者が触れてみて、実験もしくは本番で使用したことのあるもの、そして気になっているものをあげています。

ツール名 ライセンス 特徴/備考
XOOPS GPL(無料) たったの5分でシステムのインストール完了。あとは必要なモジュールと呼ばれるそれぞれ特徴を持ったツールを組み合わせ、サイトをつくっていきます。特徴としては、コミュニケーションツールが充実しているので、コミュニティサイトをつくるには最適のシステムです。
Mambo GPL(無料) 世界でもっとも使われているCMSの一つです。機能はそれほど複雑ではないので、簡単なwebサイトにも適しています。信頼性はかなり高いといわれています。
Movable Type 26,250円
(1サーバー・5ユーザー)
基本的にはBlog。しかし強力なカスタマイズ機能を備え、CMSとしての役割も充分こなします。ビジネス的になってきているので、CMS機能の充実をそろそろ図ってくるのでは?と思っていますが…。
WordPress ME GPL(無料) Movable Typeと同様で、基本的にはBlogシステムです。しかし、ページ生成機能、また様々なプラグインなどで追加機能実装することで、単なるブログサイトではなく、一般的なウェブサイトのCMSとしても利用可能です。
a-blog 非商用:無料
個人:5,250円
business:21,000円
こちらもいわゆるBlogシステムですが、デザインとの親和性も高く、企業のCMSとして利用されています。(サイトには実績例紹介あり)
Tempura オープンソース
(利用者登録要)
CGI/Perlのみで構築開発されたウェブシステムで、データベースなどを利用しません。プロバイダなどでmySQLなどのDBが利用できない場合でもOK。
CMS Designer 52,290円 XOOPSやMTなど複雑すぎないシステムで、必要な部分を更新可能にするためのCMS。またデザインの制約があまり無いので、デザイン会社がクライアントに提案するには最適だと思われます。

CMSのメリットはもっとある

さきほどは、CMSがウェブサイトを運営するにあたってその更新業務を行いやすく、スピーディにすると説明しました。しかしCMSのメリットってそれだけではないんです。筆者の考えうるものをいくつか紹介します。

CMSメリット
スピーディな情報発信が可能になる
業者とのやり取りが減る(運営の簡略化とランニングコスト削減)
デザインとコンテンツデータが別々に管理可能なので、リニューアルもスピーディ
社内イントラネットや、特定クライアント向けのエクストラネットなどにも使える(CMS本来の目的はコンテンツの管理、つまり情報を蓄積して再利用できる形で保存するだったりします。だから本当は製品資料や技術資料等を体系的かつ先を見据え戦略的に管理しようというものなんです)
社員の参加意識が高まる(ブラウザから更新できるので、管理権限をもったIDとPassを与えれば誰もが更新可能)
管理担当者を各カテゴリごとに割りふりなども出来るので、業務分散が可能(「採用ページは人事の○○ちゃんやってね♪」)
社員の士気が高まる(自分が更新をすることにより、本来の目的を深く理解することにも繋がる)
IT活用意識の全体的な底上げ(各担当者での競争も)
明確な数値でのアクセス解析や問合せ、商談の数などを社内共有できる(達成感により、上昇のスパイラルへ!)

と、ざっとあげてみても、こんなにあります。
「でも、高いんでしょ、そんなすごいシステム…」
って思いますよね。インターネットが世間にもてはやされるようになったころからCMSの考え方は既にあって、資金力のある企業は、大金を投じてCMSを開発・活用していました。1ライセンスX百万なんていう商品もいまだにあります。しかし我々もこうしたものを取り込まないと土俵にすら上がれなくなってしまうような時代が押し迫ってきています。それを感じてか(もちろんそこにビジネスチャンスを見出したからでもありますが)、リーズナブルに利用できるCMS、あるいはソフトウェア自体は無料で利用できるものが出回るようになってきました。いくつかご紹介しましょう。(世界中にはいっぱいあるんですが、日本語で使いやすいものだけを選びました)

CMSとは(コンテンツマネジメントシステムとは)何だ?

簡単に言うと、サイト運営をスピーディにするシステム。もっとちゃんと説明するならば、文章や写真などのデジタル・コンテンツを集めて、加工して、実際のホームページ上に追加したり、更新したりする仕組みのことです。(本来は情報の煩雑化を解消する目的でホームページの制作にかかわったことのある方はだいたいの流れを理解していると思いますが、復習してみますと、

  • サイトの基本構成の決定(運営責任者やプロジェクトメンバー)
  • 各コンテンツの必要要素の洗い出し(各担当者)
  • 取材・執筆(ライター)
  • 撮影・編集(写真/ビデオ)
  • ページ加工(デザイナ/エディタ)
  • 動的コンテンツの場合のプログラミング(プログラマ)
  • 確認・校正(各担当者/最終責任者)
  • 修正・公開(ウェブ制作最終担当者…通常はデザイナーもしくはプログラマが行うことが多い

とこんな流れになってますよね。
最近では、このややこしい流れをもっと簡潔に、そしてスピーディーに行いたいという要望は、しごく当たり前のようになって来ているはずです。

社 長: 「おぃ!まだうちのホームページ更新されてないじゃないか?」
担当者: 「あ、はい。外注のデザイン会社にFAX送ってあるんですが」
社 長: 「それで、いつ更新されるんだ?」
担当者: 「すぐ確認します。」

な~んて事、よくありませんか?
これではせっかくウェブサイトを公開している意味がありませんよね。一番スピードのある媒体のはずなのに…。

インターネットで情報を発信する側に立ったとき、提供する情報の新鮮さを意識しなければ危険です。そうそう、TOPページにWhat’s NewやTOPICSが載っている企業サイトっていっぱいありますよね。みなさんのサイトは最新NEWSなどの更新日付は1年も前…なんて状態になってませんか?これは見る側(来訪者)に対してとっても良くないイメージを与えてしまっているんですが、お気づきですか?見る人が見れば「な~んだ、ITに力入れてますなんて言ってたけど、HPは業者にまかせっきりで、全然ホンキじゃないね、この会社!」なんて感じてしまってるはずです。その見てる人が営業さんが必死でアプローチした見込み客の購買担当者だったりして…。良くある話です。

新しい情報を発信するという目的で無いなら、What’s NEWなんてコーナー作らなきゃいいのに、とも思いますけど、「どんどん新しい情報を出していかないとサイトつくる意味ないですよ!」と初めは思うし、制作側の人たちもそう提案するはずです。だけど上で書いたような面倒な流れだと、どうしても頻繁に行えなくなってしまうんです。これが業務になっちゃうんで。通常大企業でもない限り、ホームページを担当する人は本業の片手間でやっているはず。であれば、こうした業務の流れを簡単にして、もっと周りを巻き込めるような方法に変えればいいんです。もっと簡単に、しかも面倒じゃなく、楽しくなるような方法に。それを実現する一つがCMSだといえます。

どうですか?CMSに興味湧いてきましたか?