YouTube には、ユーザーの皆さん以外にも、多くのコンテンツホルダーがチャンネルを開設して、様々な動画を配信しています。
そしてNHKのチャンネルも公開されることになりました。
すべての動画が高画質対応です。…
YouTubeの日本版公式ブログより
視聴者のTV離れが顕著な放送業界、今後の有り様はどんな風に変化していくのか、いろんな憶測がありますが、このYouTubeへのチャンネル登録は単純なことですけど、ちょっとびっくりしました。
このNHKチャンネルは今確認できるコンテンツとしては、6月6日~8日に放送する特別番組”Save the future“の宣伝が大きな目的のようです。TV番組の宣伝というと、結局は自局のCM枠使ったり、バラエティ番組などに出演者が出て番宣するのが主な方法なわけですが(もちろん予算があれば他媒体使ったりもありますけど)、それだとリーチが狭すぎてしまい、ある程度取り込み済みのユーザに伝えられるかどうか程度にしかならなかったり…。NHKがまずプライドをかなぐり捨てて、こういう手段をとってきたことは正直かなり好感を持ってしまいました。
私の感じた“好感”は何処からくるのかをもう少し噛み砕いてみますと、かみ合っていなかったものが、突然うまくとどいた感覚なんですよね。“ただ面白くて楽しめるもの”ばかりじゃなくて”本当に知らなければいけないこと”を真面目に伝えようとすることってNHKの本質だと思うんです。そういう気持ち、つまり「多くの人に見てもらうためには、どんな手段でも有効であればどんどん行っていく必要があるんだ!」と、制作側だけでなくプロモーション側も本気でやっている姿勢が感じられたという事、それが私が感じた”好感”かなぁと思います。ちゃんと国の行く末とか地球のこととか未来とか…そういう考えを皆が持たなくちゃ!っていう今の時代、そして今回のこの特番の目的を、宣伝手段からも感じてしまったような感じです。
ネット社会に戻って考えてみると、今はいろんな企業・個人が思うがままに映像も配信できてしまう時代ですが、それを多くの人に見てもらう手段も多様化していますよね。そうなってくると今度は視聴する側の人間が、あふれ返った情報の多さに困惑するわけですが、見る側にも便利な手段があって、面白いことだったり、自分の興味のつながりのようなアンテナを使って、収集する情報を制限したり、遮断できちゃう環境もあるわけです。
ただこの状況は自分たちの視野を狭めることと同じで、もっと言えば自分の殻に閉じこもってしまうことなんですが、意外とそれに気づかない。知らず知らずのうちに「余計な情報は知らない方が得」みたいな感情が芽生え、行き過ぎれば無関心な人間を生み出してしまうことにも繋がっているだろうなと思うわけです。
でもそういう情報ツールを操って情報を制限している人って、自分の興味以外の情報が突然現れると、逆にそれが面白く見えてくることもあったりするんじゃないかと今回思いました。カテゴリセグメント、キーワードターゲティング、この辺はもう当たり前になってしまい、面白みを感じなくなった自分がいます。YouTubeにNHKの番宣…それに興奮する自分を俯瞰で見てみると、次はミスマッチインプレッションなんていう手法もありじゃないかなぁと思ったり…。
ミスマッチといってももちろん裏では緻密な計算は必要だと思います。関連製品を進められると腹が立つけど、「たまにはこういうものもいいんじゃない?」のような逆説的かつ想像もつかなかったような提案には反応してしまう、そういうことってありません?