GPS携帯でスタンプラリー?Ittemia(イッテミア)

日立製作所がはじめたWeb2.0的GPS連動サイトIttemia(イッテミア)が面白そうだ。
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サイトによれば、

Ittemiaはみんなで「おでかけミッション」を作ったり、参加したりするサイトです。
「おでかけミッション」はGPSケータイがあれば誰でも参加できるスタンプラリーです。

ん?何っとも思えるシンプルな説明、しかし一言で好奇心と冒険心を煽り立てるとてもステキな説明でもありますね。公開から2週間がたち、登録したスタンプラリーを達成する人も出てきました。なんか楽しそう…という事で私もちょっと作成してみました。

以前からやろうやろうと思ってやってないことを登録すると少しはモチベーションが上がるかな?という事で、「日本産業革命の原点をめぐる(富岡製糸場と絹産業遺産群)」。
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堅すぎて誰も参加してくれなさそう…。まず十中八九自分だけのような気がします。

もう一つは「外回り時についついよってしまうラーメン店」。
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こっちの方が楽しみを共有できる人が多そうです。

まぁこんな感じでつくってみることで、このサービスの方向性が若干は判ってきた気がします。まずは個人のウィッシュリスト的な使い方がスタートには分かり易いと思いますが、徐々にコミュニケーション性が高まっていくでしょうし、そうなるとさらに面白いでしょうね。
そんなに人はまだ集まってきてはいませんが、市町村での観光ガイドなんかにはもってこいですね。テーマ別や時間別などでスタンプラリーをつくってあげると、とってもいいかもしれません。

事例に学ぶSMOとその倫理感(SMOスパム)

はてなブックマークにおいて、安江工務店さんのサイトに対して、社員と思われる人からのブックマーク登録が異常に多いため、他会員からスパムでは?という反応がすごいようです。

煩悩是道場
さんがこの件に関し、直接安江工務店さんとやり取りをした経緯を記事にされています。ここで内容を抜粋することは関係者様たちにとって有益とは思えないので、是非記事全文を読んでいただければと思います。


煩悩是道場 – 安江工務店さんにメールを書いてみた。

SEOが一気に取りざたされる様になったとき、同じように倫理観を無視したテクニックが横行したことを思い出しはしませんでしょうか?
もちろん今もカタチを変えながら行われていますけど。安江工務店さんにはその狙いは無かったわけですが、多くの人の目に付くためのスパム行為が、ソーシャルメディアの中で行われていることも事実でしょう。

はてなブックマークのようなソーシャルブックマーク、あるいは他のCGMもそうですが、ソーシャルメディアの生み出す情報は、基本的には一般の大衆、そしてクチコミのように人の主観の入った評価によって、その信憑性や信頼性が生まれるものです。しかしながらこうしたソーシャルメディアサイトでは、簡単にアカウントを取得でき、多くの人の目に付くためのスパム行為が簡単に出来てしまいます。

人を集め情報を集めなければ、サイトの価値も情報の価値も上がりませんが、垣根を下げれば下げるだけスパムが横行しやすくなるという、サービス提供者としては非常に苦しいジレンマの状態にあるように思います。

この記事を書いている時点では、はてなさんの対応も遅れているようです。もともとあった問題ですが、ソーシャルメディアの重要性が高まりSMOが一般化しつつある今、ルールの抜け道を付くようなSMOスパムとの戦いも、本格化してきたな、という感覚を覚えます。

「倫理的に良くない」ことを行っても、やったもん勝ちな結果が出てしまうこの状況は、あまり長く続いて欲しくないですから…。

やってはいけないSMOスパム…そのうちまとめてみたいもんですが、今こんな記事を書くと「まだ罰せられずに出来る!」と思うような人がいると思うので書けませんけど。法の抜け道を考える弁護士みたいに考えては危険です。ウェブ担当者は倫理感をもってSMOと付き合っていかなくてはなりません。

Googleの順位決定にGoogle Analyticsのデータが…

Googleの順位決定にGoogle Analyticsのデータが使われていたことが判明! | Web担当者Forum

最も注目すべきは、Google公式blogより引用の訳:

同様に、ログによって検索結果を改善できる。検索した人が1番目の検索結果をクリックしているとわかれば、われわれは正しいことになるが、もし次のページに移動したり、検索クエリを再び作り直しているなら、われわれは間違っていることになる。検索企業が自社サービスを継続して改善していく能力は不可欠で、それは、こうしたデータの通常かつ予期される利用法の一例にあたる。

の部分。

検索精度を向上させることにGoogle Analyticsのデータを使ってもらうのはとても好ましいことですね。我々のようなウェブ屋にとっても、確かに直帰率の高い検索語(ページに訪れても、「あ、このサイトは探しているサイトじゃないな!」と直ぐに戻るような行動が見られるキーワード群)は、ホントは邪魔なんですよね。招かざるお客の情報の過多によって、本当に知りたい部分がぼやけることがシバシバあります。特にクライアントがそういう要らないキーワードで人を集めることに喜びを見つけちゃったりなんかすると…ホント困ります。

さてさてGoogle Analyticsの導入、なにせ無料ですから今はほとんどの人がやっていると思いますが、アクセス解析の目的以外にも大きな利益があるのかもしれませんね。まぁこの辺の情報公開を公式におこなってしまうと、一時的にではあれそこをついたSEO手法なんかが流行っちゃったり…。

気合の入った会社さんだったら、“自社のサイトを見るにはブックマークからじゃなく、Google検索経由で見なさい!しかもこのキーワードで!今検索順位60番くらいのところに出てるから…”な~んてスゴイ命令が飛んでたりしてそうです。ホントにありそうです、というかすでに横行している手法かもしれませんが…。倫理的に見ても別に悪いことと断言は出来ないので「やめたほうが…」とも言えないのですが、お疲れ様です…。

場所を点数化?「住所パワー」

「自分の住んでいる環境ってどんなもの?」「オフィスの場所ってやっぱ便利なの?」なんてちょっと考えたことってありませんか?「住所パワー」はこの住所を元に周辺1.5Km圏内にある様々な施設の数に応じて点数を出してくれるサービスです。
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Googlemapsのマッシュアップサービスで、
ちなみに弊社の位置の住所パワーは?…大分田舎なので予想通り低目です^^;
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さてさてこの得点の根拠って何でしょうか?
INTERNET Watchの記事 によると、

施設ごとに固有のポイント数が付与されており、その合計数を住所パワーとして算出する。ただし、ラブホテルや風俗店などはマイナスポイントになる。

との事です。ちなみに弊社の住所の場合はこんな感じでした↓
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常日頃感じてますが、美容室だけが目立ちます…。
Googleマップに掲載されるあらゆる情報も、まだまだ網羅性としては足りないのでしょうか?なんか今ひとつピンとこないです。また田舎に住むものの要望としては、周辺環境のチカラ・・・それは単に施設の数じゃないということでしょうか。

同記事では、

バランステクノロジーでは、「引越し先の選定時や実家の住所パワー対決、今住んでいる場所の住所パワー測定」などの用途を見込む。今後は、ブログパーツやAPIの公開、住所パワー対決ツールのリリースを予定し、ゲーム感覚のコンテンツとして展開するという。

とのこと。ゲーム感覚のコンテンツでも充分面白いのですが、本当に引越し先の指標として使えるものにするのだったら、一番に欲しいのは治安状態や教育環境がどうかや、交通の安全性やだったり、あるいは気象条件や地盤だったり、緑地環境~空気の綺麗さや風景も…。言いはじめたらきりが無いですけど。

お隣さんが布団をパンパン叩いてうるさい人かどうか?までは無理として、調べる人が価値判断基準を設定できたら面白そうですね。用途がぐっと広がる気がします。まず不動産屋さんサイトには必携のツールになるでしょう。人口、交通導線、世帯所得なんかが反映されるものになれば、エリアマーケターは確実に飛びつきます。“住所パワー対決”というのは、新店舗建設予定地を決める重要な戦いを左右するようなモノになりえるんではないかと。
他のいろいろなマッシュアップものよりも、収益モデル化の実現性は相当高いんじゃないかなと思います。

こうした細かな要望を数値にするのはとても難しいですが、googleマップの公開マイマップから情報抽出したり、携帯からのコメント受付も始めたみたいですから、CGM的要素をうまく取り入れて、より信憑性のあるサービスになるよう、期待したいですね。

twitter事例2つ

以前このブログでも紹介したTwitter(以前の記事はこちらへ)。気になる事例を2つほどご紹介。

一つ目はtwitter上でバーチャルペット?「neco」が飼えるサービス、その名も「necoったー」。
ネコッター

おさらいになりますが、Twitterは、「今何してる~?」に答える感覚でメッセージを入れると、フレンド登録している相手に伝わる、コミュニケーションツールです。twitterは基本的にはウェブサイト上にアカウントURLがつくられ、そのスペースにログが記録されるので、ブログが小さくなったミニブログとかマイクロブログと表されることが多いようですが、投稿メッセージをウェブブラウザでなく、インスタントメッセンジャーを使ったり、携帯端末を使う事でリアルタイム性を高め、双方向性の高いコミュニケーションツールになっています。

で、今回紹介する“necoったー”、このtwitterの双方向性部分をうまく利用して、necoなる電脳ペットと遊ぼう、という趣旨のものです。
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好みのタイプの猫を選んで名前をつけると、

=^ΘΘ^= < ... =^ΘΘ^= < ウニョ =^..^= < アソ...

などとメッセージが送られて(=じゃれ付いて)きます。

このじゃれてきたnecoに対して、

@necoの名前 よ~しよ~し。ゴロゴロ…

などと、レスポンスをしてあげると、なつき度が上がっていく…という仕組み。

お遊びではあるんですが、コミュニケーションツールとしてtwitterを消化し、私たちに新しい方向性を見せてくれている気がします。採算とか存在意義とか評価とか…そういうものの前に、「これあったら面白いんじゃない?」というような発想を、とりあえずでも形にしてみる…こういう姿勢がすごく重要だと思いますし、好きです。

二つ目はMAZDAロータリーエンジン40周年記念サイトでのマーケティングへのtwitter活用事例。40周年についてファンから寄せられたコメントをtwitterで公開しています。
mazdarotary
このタイミングを時期尚早と見るか、それとも・・・。確かにその成果だとか結果だとかが予測しづらい状況である事は間違いないでしょう。しかしながら、こうした新しいサービスや技術にいち早く注目し、取り入れていこう、試してみようと思うその姿勢は、確実に我々に伝わるものだと思います。それは簡単に数値で表せることではないでしょうが、少なくとも私はMAZDAやロータリーのブランドに、ゆがみの無いこの40年を感じ取ることが出来ましたし、これからも変わらぬ挑戦者の意気込みというか、息づかいというか、そんなメッセージを感じることが出来ました。
ロータリーエンジン自体、常識にとらわれない姿勢や、誰も挑戦していなかった分野へたった一人で立ち向かっていく姿勢がそのブランドイメージを形成していったと思いますが、それを知っていた人はもちろん、twitterで初めてロータリーを知る人(もしかしたら免許すら持ってない中高生)にも、今回のtwitterを使った試みが何らかのプラスの刺激を与えられるだろうと思います。

今回紹介した2つのtwitter事例どちらからも、新しいモノに向かう姿勢を再確認させられました。

necoったーをもっと知る
アークウェブ、Twitterと仮想ペットとのマッシュアップ「necoったー」 – Cnet Japan
ITmedia News:Twitterで“neco”を飼える「necoったー」
MazdaのTwitter事例への様々なエントリー
[N] マツダが「Twitter」を活用したプロモーション
Twitterのマーケティング活用:MazdaがブログパーツとTwitterを連携 ≪ du pope : NAKANO Hajime’s Blog

ばぁちゃんノート

アルファルファモザイクさんの記事

ばあちゃんの家に行くと、いろんな事が紙に書かれている。
じいちゃんとばあちゃんは2人で暮らしてた。ばあちゃんはボケが進んでた。
じいちゃんが介護してた。いろいろ大変だったみたいだけど、会話はできているようで、
人が思うほど大変じゃないよって言ってた。…全文を見る

を見て、うちのばぁちゃんの事を思い出したのでちょっと。

うちのばぁちゃんも大分呆けていました。

その時はすでに一人だったんで、アルファルファモザイクさんの記事で紹介されているような、おじいさんとのこんないい話は無かったですけど。

というより、もっと痛いボケ方でしたね。

近所の人に「あたしの通帳返せ~!」って電話したり…。
家の前の道をものすごいスピードで走っていたり…。
(本人いわく泥棒を追っかけていたようです。もちろんそんな泥棒いるわけありません…)

ただ最期の時が近づくにつれ、気持ちはだんだんと穏やかになり、少女のようになって行きました。

もう私が孫だとは全くわからない状況でしたが、それでも親しみ深い人を見る目をしていてくれた事をよく覚えています。

葬式の前夜いろいろ整理をしていると、ばぁちゃんの残したノートが数冊見つかりました。

「マサナオは大学に行って帰ってこない…。」
「○○(姉の名前)はアメリカに行って、もうしばらくあっていない…。」
もっともここに書けないような悪口なんかもたくさんあるんですが、結局人との会話やふれあいの欠如が、痴呆を早めていってしまったんだなぁ、親不孝ならぬばあさん不幸な孫だったな、と。

そんな悲しみいっぱいのノートだったんですが、
そこに一つだけ、私の知らなかったロマンチックなストーリーが書かれていました。

うちのばぁちゃんは、じいちゃんよりももっとずっと好きな人がいたみたいです。

まぁじいちゃんとの結婚自体、決められたものだったみたいで、そのことはよく聞かされていたんですが。

婆:「まだ一度も会ったことも無い人のところへ嫁いで行ったのよ!しかも満州まで一人で行ったのよ!」
爺:「(ばぁさんの)お姉さんが美人だから、良いと思ったんだけど…。」

いつも夫婦漫才ばりのやり取りで…。

戦前、また田舎の方では当たり前のことなんだろうけど、好きになった人と結ばれる事なんて滅多に無いことだったようです。

そのノートには、下手な俳句を交えながら、その愛しい人の事がつづられていました。
コトバじりはあまり良く覚えていませんが、

 その方にも家族があり、近くに行っても顔を見ることもできない

 何十年経った今も、好きになった方は一人だけ…

そんな中身だった気がします。

母に後から聞いたんですが、じいちゃんの葬式の時“その方”が来ていて、ただただ遠くから様子を伺っていたようです。
新聞のおくやみ欄を見て来てくれたそうなんですが、来たものの堂々と顔は出せない気持ちだったそうで、ばぁちゃんを案じ陰からそっと見守って…。

ばぁちゃんの葬式のとき、“その方”はいらっしゃいませんでした。
多分もうすでに亡くなられていたのかも知れません。

告別式や忌明けの席なんかで「先に天国にいっている爺さんのもとに…」って、
誰もが言うし、わたし自身も当たり障りの無いそのフレーズを口にしました。

でも心の中では、何十年の時を経てようやく“あの方”と一緒になれたんだなぁって。

良かったね、ばぁちゃん!って。

親父の葬式もじいちゃんの葬式も涙が出なかったんですが、
そんなノート見ちゃったもんだから、(ばぁちゃんの時は)ホントに涙が止まりませんでした。